レジデントがチェックしておきたい先輩医師のインタビュー

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ズバリ!?教えて!
新米研修医の心構えを伝授!
新米研修医に向けて、心構えや注意点など指導医の目線から伝授!

今回は、総合病院に勤務の、貴島医師に過酷な医療現場の厳しい現実や、それをどう乗り切ってきたか経験談をもとに直撃インタビュー!

インタビュアー まずは先生の研修医時代のお話を聞かせてください。
高梨 亮太 精神的にもハードな日々だったのが印象に残っています。
救命救急型のローテートを行い、1年3カ月を救急、残りの9カ月を外科、循環器内科、麻酔科と回りました。外科は腹部外科がメインで、少し胸部外科にも行きました。
三次救急の病院にもかかわらず、半年後には責任当直のA当直をやっていましたね。
A当直は救急隊からのダイレクトコールを受け、ファーストタッチを行います。そしてB当直にコマンドを出します。
B当直には救急診療科のスタッフが入りますが、指導医がいることもあれば、2年目の研修医のこともあります。
C当直は1年目の研修医です。
したがって、救急診療科のスタッフ自体も10人ぐらいで、AからCまでの3人が1、2年目の研修医で占められていることもあるわけで、当直も3人体制ですから、月に20回ぐらい当直が当たりまえ。仮眠室が寝床になっていました。力も度胸も付き、経験年数が少ない割には態度も大きかったかもしれません。
インタビュアー 一次救急も担当されたんですか?
高梨 亮太 一次救急は全て研修医で診ていました。平日は2年目が1人で、土曜、日曜、祝日は1年目と2年目のペアで診ます。救急当直では三次を診ながら、一次、二次もこなしますので、2年間で一次から三次まで幅広い症例を診ることができました。一次は20人から40人ぐらいの患者さんがいらっしゃいますので、ほとんど寝ることができませんでした。三次はいらっしゃらない日もあるんですが、来院があれば夜間でも緊急手術ですからね。開腹だけでなく、開頭手術も行いましたので、外科的なトレーニングも積めました。その後も後期研修で救急診療科に残りましたし、研修終了後には救急診療科のスタッフにもなりました。その病院での7年間の経験が私の原点です。
インタビュアー そういうハードな日々を乗り切れた秘訣はどこにあったと思いますか?
高梨 亮太 とにかく体力をつけることですね!その一つに、忙しくても食事を欠かさない事。必ず合間を見つけてしっかり食事はとっていましたね!
あと、精神面のケアも出来るだけ意識していました。忙しい中でも、病院を離れたら気持ちを切り替える!そういう時期は全ての時間を医療に・・・となりがちですが、意識的に切り替えるくせをつけたのは、今でも役立ってるといえます。
インタビュアー 指導するお立場として心がけていらっしゃることはどんなことですか。
高梨 亮太 私たちが研修医の頃は「アホ、ボケ、カス」など結構暴言の押収だったかも知れません。研修医を思えばこその言葉ではありますがし、今は時代も違います。私としては患者さんの診察の場面ごとに気付いたことをフィードバックすることを心がけています。研修医は現場での指導医の一言一言で成長できたりします。本で学んだことよりも臨床の現場の経験が強いですし、現場で指導医に言われたことはその先ずっと残りますので、間違ったことは教えられませんから私自身も学ぶことが必要です。
インタビュアー 研修医に対して、「これだけは言いたい」と思っていらっしゃることは?
高梨 亮太 最近の研修医は皆、優秀ですし、人間性もいいですよ。患者さんに対する姿勢や物腰も丁寧です。コメディカルへの対応も良く、コメディカルからの評判もいいですね。私たちの頃よりもそういった点は優れていると思います。
ただ、手技に関してですが、できなかったことを本やインターネットで調べるなど頭でっかちになりがち、実際に身体で覚えた方が身に付ものなので、できなくて上級医に替わってもらったことを、次回は失敗せずに自分でできるようになっておくという経験に対しての姿勢は消極的かなと思います。
インタビュアー 現在の臨床研修制度について、ご意見をお願いします。
高梨 亮太 「2年の初期研修を行えばジェネラリストになれる。」という理念自体はいいと思います。厚生労働省の当初の目論見は外れてしまいましたが、ジェネラリストを目指すきっかけとはなっていると思います。
総合医が少なく、専門医がいてなんぼだ、という考え方日本の医療界にはあり、それが地域医療の崩壊に繋がりました。また、欧米ではジェネラリストが診た後に、スペシャリストが診ますが、医師の数自体が少なく、ましてや専門医が増える状況にない日本では、お互いのニーズがミスマッチを起こしていく一方です。しかし、現在の制度が「研修医が大学に残らない。」という事態を招いたことにより、最近行われた改正では、本来満たすべきだったところが逆行している面あり、私たちにできることは地道にジェネラリストを育て、それを積み重ねることで地域医療の崩壊を防ぐことだと考えています。

プロフィール

貴島医師
Dr.KIJIMA
総合病院勤務 36歳
まずは自分をケアする事。とにかく食事をしっかり摂り体力をつけること!精神面でもオン・オフの切り替えを上手にする事で、患者さんに上質な医療をいつも提供する事につながるのではないでしょうか?